肝臓病と肥満専門のクリニック

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肝機能数値が高い方へ

健康診断や人間ドッグを受けると、しばしば肝機能異常を指摘されます。肝機能異常の多くは、AST(GOT)やALT(GPT)の数値が高くなっています。

「AST」「ALT」とは?

それは、主に肝細胞に存在する酵素です。 何らかの異常で肝細胞が破壊されると、この酵素が血液中に漏れ出します。血液中に酵素がたくさんあるということは、壊れた肝細胞がたくさんあるということです。つまり、肝機能数値が高いということは、「たくさんの肝細胞が壊れていますよ!」という信号なのです。

自覚症状がありません

当院にも、精密検査を受けるため、肝機能数値の高い方が多く来院されます。しかし、そのほとんどの方に自覚症状はありません。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、神経が通っていないため、ほとんど痛みがありません。 黄疸など、かなり病状が進行しない限り、本人も周りも、症状から気付くことはないようです。そのため、肝機能数値が高いまま放置している方も少なくありません。

肝臓は再生能力が高いです

人の体の中にある臓器の中で、唯一、再生能力があるのが肝臓です。肝臓の細胞は再生能力が高いため、ある程度ダメージを受けても、再び正常な細胞を作ることができます。正常な肝臓であれば、外科手術などで70%程度切除しても、1ヶ月ほどで元の大きさに戻るとも言われています。そのため、肝臓がんの治療法として、「肝切除」「生体肝移植」などがあります。これは他の臓器ではありえないことです。しかし、あまりにも破壊と再生が多いと、組織が硬くなり、正常な機能が失われていきます。肝臓の再生能力を維持するためにも、肝機能を正常に保ち、悪化させない、繰り返さないことが大切です。

肝臓の働き

食べ物からとった栄養は、そのままの状態では、体の中で使いにくいため、一旦肝臓に集められます。そして、使いやすい状態に分解したり合成したりして、体の必要な部分に送られます。体のエネルギー源となる糖質の一部はグリコーゲンに合成され、肝臓に貯蔵されます。

体外から入ってきたアルコールや化学物質、体内で発生したアンモニアなどの有害物質は、肝臓で分解し無毒化されてから排泄されます。もし、肝臓の機能が十分に働かなくなると、解毒機能が低下し、こうした有害物質がそのまま体の中に回ってしまうことになります。一度にたくさんのお酒を飲むと、酔っぱらって意識がもうろうとしますね。これは、肝臓で処理できなかったアルコールが血液中に回っている状態です。このように、肝臓の大きな役割の1つは、体内の有害物質を解毒化し、体を守ることです。

肝臓で作られる胆汁は、食べ物からとった脂肪の消化や吸収を促進したり、血液の老廃物などを排泄しやすいように分解したりする酵素の働きを手助けしています。肝臓の機能が低下すると、胆汁が不足し栄養の吸収や老廃物の排泄に支障をきたします。

このように、肝臓は体の代謝や解毒機能の多くを担っているため、肝臓の機能が低下すると、体のエネルギーが不足したり、有害物質が体内に溜まったりして、体に大きなダメージを与えることになるのです。

肝機能異常の原因は?

脂肪肝は、中性脂肪が肝臓にたまりすぎた状態です。正常な肝臓は、通常3~5%の中性脂肪が蓄えられていますが、30%以上溜まっている状態だと脂肪肝となります。

アルコール性肝障害は、文字通り、アルコールの過剰摂取で起こる肝機能障害のことです。自分の肝臓の処理能力以上のお酒を継続して飲んでいると、起こることが多いです。

ウイルス性肝炎は、A型肝炎ウイルスB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスなど、特定のウイルスが原因で起こる肝障害のことです。

原発性胆汁性胆管炎は、自分の免疫システム異常によって、肝臓の中のとても細い胆管を壊してしまいます。自己免疫性肝炎は、自分の免疫システム異常によって、肝細胞を破壊してしまいますが、原因は不明です。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこる甲状腺亢進症は、肝臓の働きが異常に高まるため酸欠状態になり、肝細胞が障害されます。また、甲状腺機能が低下することで、肝機能障害を起こしている場合もあります。

検査をしても、肝機能異常の原因がわからないこともあります。しかし、その場合でも、薬によって改善がみられることもあり、予後良好なことがほとんどです。