肝臓病と肥満専門のクリニック

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脂肪肝の治療

Dr.中村の肝臓セミナー⑦「脂肪肝は怖い病気ですか?」
院長の1分動画です。
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脂肪肝にて当院受診中1063(2024.1.4現在)

脂肪肝は、非常に多く存在する肝臓病で、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態です。主にアルコール・肥満などが原因です。アルコールが原因の場合には、禁酒が治療の原則になります。 かつて肥満が原因の脂肪肝は、あまり重視されていませんでした。しかし、肥満から生じる脂肪肝の一部が線維化し、肝硬変・肝臓がんへ移行することがわかり、最近注目されています。そのタイプの脂肪肝は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれ現在増加中です。


NASH
(読み方:ナッシュ)と正確に診断するには、肝生検(針で肝臓の組織を採取する検査)が必要です。脂肪肝の方全員に肝生検をすることはできませんが、採血によってNASHの可能性の高い方を見つけることは可能です。

 

NASHを見つけるための採血

脂肪肝の方には、NASHに関連した次3つの採血をします。その結果から、NASHの可能性が高いかどうか総合的に判断します。4点中2点以上なら、NASHの可能性は高いです。お近くの肝臓専門医を受診して下さい。

 

血清中のフェリチン濃度を測定する検査です。フェリチンは、を組織内に貯蔵する働きを持つ水溶性タンパク質で、主に肝臓や脾臓・心臓などの臓器に存在しています。血液中には微量しか存在しません。しかし、何らかの原因で細胞が破壊されると、多くのフェリチンが血液内に漏れ出してきます。そのため、数値が高い場合、肝炎や肝硬変、心筋梗塞などの病気が疑われます。
男性300ng/ml以上、女性200ng/ml以上の場合は1点

空腹時のインスリン濃度を測定する検査です。インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きをしています。そのため、通常は血糖値が高くなる食後にたくさん分泌されます。絶食時(空腹時)のインスリン濃度が高いということは、本来休んでいるはずのすい臓が働いているということです。必要以上に負担がかかり続けたすい臓は、将来、正常に機能しなくなるかもしれません。検査は、 前日の夜9時以降、絶食にして行います。
10μU/ml以上の場合は1点

血液中に微量にあるⅣ型コラーゲン7s濃度を測定する検査です。Ⅳ型コラーゲンは、肝臓の繊維化が進むと増えてくるため、肝臓がどの程度線維化しているのか(肝硬変に近づいているのかを)知ることができます。
5.0ng/ml以上の場合は2点

 
 
 

FIB-4で線維化がわかる?

FIB-4 index(以後の記載:FIB-4 読み方:フィブフォー)は、肝臓の繊維化を数字で表したものです。数字が大きいほど線維化が進んでいることになります。FIB-4の優れたところは、①年齢 ②AST ③ALT ④血小板数を入力するだけで、簡単に計算をすることができる点です。通常の健康診断であれば、必ずこれらの検査をしていますので、お手持ちの検査結果ですぐに計算ができます。計算したい方は、こちらのサイトをご利用下さい。

(正常例)年齢51歳 AST17 ALT13 血小板数26 ⇒ FIB-4 0.92

FIB-4の数値が2.7以上の方へ

脂肪肝で、FIB-4 が 2.7以上 の場合、肝臓の繊維化が進んでいる可能性があります 。お近くの肝臓専門医を受診して下さい。