「肝機能数値は高いのですが、ずっと原因不明だと言われていました」
そう言って来院される方が時々おられます。健康診断の結果を見ると、ASTやALTは少し高いですが、中性脂肪もコレステロールも正常です。B型肝炎やC型肝炎もなく、エコーの結果を見る限り、脂肪肝もなさそうです。
「やっぱり、原因不明の肝障害なのだろうか…?」
当院では、こういう場合、まず甲状腺の病気を疑います。そして、免疫機能にも異常がないか( 自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝炎ではないか )調べます。これらの病気は、全て採血をすればわかるので、1週間後には結果をお伝えすることができます。
では、その結果、どの病気でもなかったら?
「原因不明の肝障害ですね。予後は大丈夫です。ウルソ(胆汁の流れを良くするお薬)を出しておきましょう。」と、いつも申し訳なさそうに院長は言っています。でも、このお薬、実はすでに飲んでいたという人が多いのです。肝臓のお薬として、王道中の王道だからでしょうか?
「結果は変わらなかったけど、安心しました」その言葉に、一番安心したのは、肝臓専門医である院長のようです。