お雛様劇場(12)「最後の一葉」 秋も深まり、木の葉の舞い散る季節になりました。今夜は特に風の強い嵐の夜ですが、五人囃子達が集まっています。 1番左の五人囃子が指さしながら「そこはもっと明るい色で塗れよ。」絵筆を持っている真ん中の五人囃子「うるさいなぁ~、もうやってるよ!」 五人囃子達は、何とかして本物そっくりの葉っぱを描こうとしているのです。 後ろから眺めている右から2番目の五人囃子「もう少し大きく描こうよ。」1番右の五人囃子「次は私の番だよ。筆を回して!私にも描かせてよ~。」 出来上がった葉っぱを見ながら、ニヤリと笑う一番左の五人囃子「ふっ、まだまだですね。」 月へ帰ったお姫様が恋しくて、毎日、お殿様は床に臥せています。部屋から見える木から、葉っぱが散っていく様子を眺めるのが日課となっていました。嵐の翌朝、とうとう葉が1枚だけになっていることに気付きました。 「あの最後の葉が散った時、私の命も尽きるのだな…。」 お殿様の言葉を聞いた家来達は驚きました。右の三人上戸「殿、なんと弱気なことを…(泣)」左の左大臣「誰か医者を呼んでまいれ!」 お殿様の様子を見て、電話をかける三人上戸「殿が病気です。来ては頂けないでしょうか?」 待合室の飾りを「最後の一葉」仕様に変更しました 2020年11月 お雛様劇場:54年前のお雛様を季節に合わせて、待合室に飾っています。 併せて読まれている記事お雛様劇場(60)「オバケ通信始めました」お雛様劇場(59)「桃太郎のお引越し」お雛様劇場(58)「防災の日」 2020年11月3日